「色即是空」現世におけるあらゆる事物はすべて因縁によって生じたものであるがゆえに、無自性(空)であるという仏教の見方。
※性:外からの影響の有無にかかわらず、そのものがもつ不変の性質。自己の中の本性。
「自性」は一切をそなえ、欠けているものはない。人それぞれの「自性」はみずから発見しなければならない。外から「自性」へと通ずる道はないのだ。
自己の中の本性たる「自性(仏)」を発見することにより、誰でも生死涅槃を越えた本来の仏になれるということ、それを「悟り(見性)」という。「自性もとより仏なり、さらに仏を求むべからず」と心得るべし。
「即心即仏」
これを心に求めさえすれば道を悟り仏に成れるという禅の教え。「即心是仏」ともいう。同じことが発生した場合でも、喜ぶか悲しむかは、どんな角度から「それ」を見るかにかかっている。
人間の心は絶対心(真実心)と相対心(虚妄心)とからなっており、心仏一体としての「心」とは前者である。したがって、いかなる事態に遭遇しても心の持ち方次第で対応の仕方も変わり、絶対心としての自他一如の立場によって状況を好転することもできるのである。
( 禅の思想 より引用 )