総務が変われば会社は伸びる

》*コラム/経営・書籍 編*

ここ数日で、また何冊か本を読み終わりました。
読み終わった瞬間、読んでいた時間がもったいなかったな・・・と思う本もありました。
古本屋で購入した本ばかり読んでいたのですがね、
読み終わって最後の裏表紙みたら、著者のサイン入っている本とか、自分の目標みたいなの書いた本とかありました。
前の本の持ち主はどんな方だったのかしら・・・と、しばし空想。。。
何冊か、本の感想を紹介♪
「総務が変われば会社は伸びる」(渡辺英幸)
出版されたのが1989年のせいか、ちょっといまの流れからしたら、どうよ???という箇所が多々ありましたが、けっこう面白く読めました。
巻末の方の付録には、経営計画及び予算運営要項、業務機構運営マニュアル、就業規則の手引き見本あり。
就業規則の手引き見本、
「第一 なぜ就業規則があるのか。
会社は、組織的に運営されなければ、成長繁栄を望むことができません。この規則では組織運営の一環としての、また最も重要な社員の就業について取り決めたものです。従業員の就業等については・・・・・・(略)
第三 皆でこの規則を守ろう。
この規則は、従業員だけが守らなければならないというものではありません。就業規則は会社の「憲法」ですから、これを制定することによって、会社も、つまり経営者もこれを認めなければなりません。会社は、この「憲法」を曲解したり、こじつけたりすることはありません・・・・」
このような感じて書かれてます。
特に個人的に面白いと感じた部分は、
「山田君はなぜ会社を辞めたか?」の話です。
T社という卸業の会社では、小規模の時代にあった社員の活気が次第に薄れているのに悩んでいた。
賃金制度の見直しや成果配分制度の導入も効果なし。目標管理の導入、提案制度の導入、部門別利益管理制度の導入、自己申告制度の導入、教育や研修といったいろいろと考えられる管理技法を導入していった。
それでも社員の士気は上がらず、組織自体の活力も失われていく。
やがて入社3,4年の、これからという社員が退職していくようになった。人事部は欠員補充に追われる日々。
社長は幸い、辞めていく山田君から辞めたい本音を聞くことができた。
理由は・・・・
山田君は営業マン。
直属の上司である課長の行動指針は「根性、根性、根性」。
直属の上司はこれまでの経験から、一に根性、二に根性、というのが信念になっていた。そして「考えるより、即、行動!」と、部下達にも指導し、部下達も忠実に従っていた。
しかし、デパートに商品を卸しているのだが、作今は商品のライフスタイルが急激に短くなってきて、あれこれと受注はもらうのだが、それが売れずに残ってしまう。山田君は大きな壁にぶつかった。
それを上司に相談しても、「自分で考えろ!根性だよ、根性!これがかけているから、実績が上がらないんだ!」という。
山田君は「根性ではないんだ・・・。生活者のウォンツの把握なんだ」と思うが、その対処法がわからない。
そこで、こそっと別の営業課の大学時代の先輩にもあたる課長に相談してみた。白昼堂々とは、組織の秩序を乱すことになり相談できないのだ。
そして先輩に、親切丁寧に教えてもらう。そして「知恵を絞り出すのに根性がいる時代なんだよ」という助言を受ける。
山田君は目の前が明るくなった。
しかし・・・他の課の課長に相談したことがばれて、上司から すごい剣幕で罵倒うける。そして、山田君は辞表をを書いた。
この話を社長は聞き、管理職スポンサー制度を導入して、自分の上司以外にもアドバイサーをつけれるようにし、士気の高揚と組織の活性化に成功。
個人の要求と硬直化した組織のアンバランスが、この会社の若い社員が退職する理由だったのである。
という、話だったのですがね。
非常に共感する話ですね。
けっこう個々のモチベーションって、自分を指導する立場の「上司・先輩」の魅力に左右されたりしますから~(笑)
自分を評価する立場の人が最悪だったりしたら、モチベーションも下がりまくりますよね。
けっこうよくありそうな話です。
T先生のセミナーの時に、「メンター制度※」という話がでてきましたが、
昔、私がいたことある職場でも そのような制度がありましたっけ。。。
ブラザー、シスター制度という名称で、新入社員を入社3、4年目ぐらいの若手が仕事の進め方から時にはプライベートの相談までサポートしてました。
(※新入社員などのサポートを行うため、専任者をもうける制度。)
いろいろと、コミュニケーションが社内において複線化するような仕掛けづくりってあったほうがよい気がしますね。。。
話が脱線しますが、
最近読んだ本に共通して、しみじみと「経営理念」は必要なのですね・・・と感じること多し。
会社と従業員は同じ方向性を向いているのが望ましいわけで。
そうすると、就職の面接のときのダメな回答例で、
「御社の社風に惹かれました」
・・・って、ありますが、これ実は大事ですよね。
(上記は、漠然とした答えなので、やっぱりそれだけではNGですが)
自分のやりたいことだけ考えて、社風を軽視して入社したら、すぐに退職することになりかねないような・・・
仕事以外でも、人生においても、自分の理念は大事みたいですよ。
自分の人生において大切なこととは?
自分がどんな信条に価値を置き、何をよりどころに生きたいのか・・・
長くなってきました。
もう1冊だけ紹介
「なぜか、仕事がうまくいく人の習慣」ケリー・グリーソン
かなり全体的に面白かったのですが、今回は個人的に特に気に入った部分だけ紹介します。また機会があれば、この本の感想書くかもしれません。
整備をしないと、仕事のシステムは崩壊する・・・の話の部分。
エントロピーという言葉は、システム崩壊に向かう無秩序の度合いをはかる尺度として定義されてる。システムは、秩序のある状態から無秩序な状態へと進むという傾向がある。これは、全宇宙における自然の法則であり、この無秩序な状態によって、複雑さが増すことになる。
環境とは、放っておけば、無秩序な方向に動いていくものだと認識すること。そうならないためには、整備された状態を保持するよう、努めること。
自分の家の庭の手入れを少し怠っただけで、すぐにエントロピー効果を目のあたりにできるだろう。
よりよいシステムが、すぐに使える状態になっている。そんな秩序のある状態をめざして手を休めずに整備しない限り、エントロピーの法則によって、自分の設置したシステムが崩壊に向かうことは、よくわかるはず。
なんか哲学的な思考も感じで気にいっています。(そう思うの、私だけ?(笑))
ふぅ~・・・、日々、エントロピー膨張との戦いです。。。。
この本、たしかベストセラーにもなっていた時期があったと思うので読んだことある人、けっこういますかね?
自分の人生において大切なこととは?
自分がどんな信条に価値を置き、何をよりどころに生きたいのか・・・
そこを突きとめないと、人生の目的への取り組みが、ひどくつらいものになる。しかし、自分の信条とは何かが決まれば、人生の目的、あるいは使命が、ますます鮮明になる。
自分にとって何が重要かわかれば、それを実現するためのゴールが設定できる。こういう場合のゴールに意味があるのは、そこに到達することで、自分にとって本当に価値があるものが手に入るからだ・・・・
と、いうような内容も書かれています。
著者の方、日本のカイゼンや品質管理も よくわかっている方なんですよね。
私も製造業が長く、品質管理などの考え方が好きなので、読んでいて共感する部分が多いです。(でも、自分が実際にできるかは別ですが(汗))
さて、このへんで。
               記・2006.1.31より

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