「ザ・ゴール」(著:エリヤフ・ゴールドラット)
企業の究極の目的とは何か・・・・
アメリカの製造業の競争力を復活させたTOC(制約条件の理論)の原点。
全米で250万部を超えるベストセラーを記録。
主人公の工場長が、閉鎖間際の業績の悪い工場を短期間で再建するという小説。
私も工場勤務経験があることもあり、それなりに面白く読めました。
読んでいけば、あたりまえのようなシンプルな答えが書かれていたりするのですが、そのあたりまえのことに気付いていない会社も多いということでしょうか。
例えば、ある商品・・仮にXを製造するのに、A、B、C、Dの順番で4つの機械での処理を必要としたとする。(わかりやすくするために、この工場ではXしか製造しないとする)
1日あたり、Aは200、Bは70、Cは120、Dは150の処理能力があるとする。
そうなると、1日に製造できる商品Xは、最大で70である。
仮にBがトラブルを起こして、生産能力が下がって50になったら、1日に製造できる商品Xは50となる。
つまりこの工場ではボトルネック・・・制約条件は機械Bということに。
もしBの処理能力を向上させたら、生産能力も向上することになる。
部分を見るのではなく、全体をみることが大切ですね。
工場の事例だけに限らず、いろんなところで応用のきく思考プロセスです。
自分にとっての制約条件は・・・・
考えたくない~(汗)。。。(現実逃避)
あと、この工場の救世主として物理学者がでてくるのですが、
彼はすぐに主人公の工場長に問題解決の答えを教えてあげません。
質問をするのです。
そしてヒントだけ与えて答えを宿題にして、自分で考えさせます。
人を育てることを考えると、ここにも人材教育のヒントを感じました。
人は他人に言われたことより自分で気付いた考えのほうを大事にすると何かの本で読んだことあるような。
間違いを指摘するような時でも、ストレートに言った場合、心に壁をつくられて、下手すれば反感すらもたれかねない・・・になりますからね。
人を動かす、育てるときには心理学が有効だと思う。
(D.カーネギーの「人を動かす」など読めば納得してくれると思います)
自分が仕事するときにも有効だと思うので、放送大学の心理学科目とかチェックしてみようかな~・・・。
補足
※感想で書いた以外にも、いろいろと実践で使えるような考え方やノウハウが書かれています。
ベストセラーになっただけはあると思いました。
記・2006.6.25
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