※昨日に引き続き、今日の日記は特定社労士試験に興味のない人には面白くない内容です。
昨日の倫理の問題の話の続きですが・・・・
やはり問題は単純でなく、トラップがありました(汗)
単純にどちらも受任できるになりそうですが、C を解雇するに至った原因にA社および甲は関与しているのだから、社会的・道徳的責任として、まったくもって関係ない、連帯責任を負う必要がない・・・とはいかないだろうと、私の回答は、
(1)
結論:相談を受けることができる。
理由:相談を受けるにあたって法律上の制限はない。しかしながら、職業倫理上、甲とA社との関係を伝えた上、それでも希望するか確認するべき。ただし、A社に対して契約解除による損害賠償請求などの話がでてきたら、A社に対する利益相反、信義則上、依頼をすぐに断るべき。
なんで「派遣先が講ずべき措置に関する指針」云々が出てくるんだと、問題見た瞬間、頭がフリーズしたんですよね・・・
なんかボロボロの回答や(汗)
A社との関係を伝え、それでも希望するか確認すべきとしたのは、説明文章不足ですが、甲はC の件に関わっていることから、A社とB社の間で派遣労働契約の解除につき、もしもトラブルやしこりが残っていたら甲に対してB社はよい印象を持たないだろうから、先手を打ってリスク回避のために利害関係チェックの探りを入れるとしました。A社に対して、B社とは円満に契約解除になりましたか?と確認いれてから受任するでもよかったかもしれませんが。
A社とB社間で、後からC の契約解除の件で紛争が起きる可能性がないことの確認を念のためにしておきたい。(問題文からは、会社間の紛争はなく円満に契約解除に至っているのかわからなかったので・・・)
問題文には指針等について相談を受け、解除にあたっての留意事項等について指導した、とありますが、その結果、ちゃんと指針違反にならないよな対応をA社がしたかまでは書いてないのですよね・・・
ちゃんと指導したなら、A社においてC に他の仕事先を探したり、休業補償や解雇予告手当等の損害賠償も履行しているはずである。いまいち問題文の前提条件がわからん。常用型と登録型のどちらのタイプの派遣だったのかもわからんし、更新の有無や契約の長さも不明である。程度によってA社の連帯責任の度合いが変わってきて回答にも影響するように思うが・・・
(2)
結論:受任を差し控えるべきである。
理由:受任するにあたって法律上の制限はないが、直接的にではなく間接的にとはいえ、甲はC が解雇されることになった原因に関与している。C の雇用契約は派遣元のB社とにあり、派遣元に解雇回避努力の義務がある。C が解雇されるにつきA社と甲の責任は少ない。しかしながら間接的にとはいえ関与している以上、受任した場合、心理的に罪悪感が生じ、公正誠実に業務を行えない可能性が生じることが考えられる。又、C がA社に指導したのが甲だと知ったら甲に対して不信感を持ち、信頼関係に影響する可能性があるので、受任を差し控えるべきである。
こちらの回答もボロボロですね(泣)。。。
想定外の問題が出て余裕なかったんですよね・・・
もうちょっとまともな文章を書きたかった・・・
以上が、解答用紙に書いた私の答えですが、さきほど、ちょっと厚生労働省などのサイトで「派遣先が講ずべき措置に関する指針」を確認したんですよ。
(なんか派遣に対する指針出てたことは知ってましたが、あまり派遣関係に関わることないしなぁ~と、じっくり内容を読んだことはなかった・・・)
・・・・・・・・。
今年の3月に改正されたんですね(汗)
(いまのところ、罰則規定はないですよね?(汗))
改正された指針を考慮すると、(1)も(2)も「受任を差し控えるべき」が適当なような気がする・・・・
改正された指針によって、派遣労働者に対する、派遣先と派遣元の連帯責任が強まったような・・・
罰則規定がないとしても、社労士の倫理上、指針違反にならないようにしたいところです。
そうなると指針では、派遣先に対して「派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ることができないときには、少なくとも中途解除により派遣会社に生じた損害の賠償を行うことが必要です」とある。
更に、派遣契約の締結時に、契約に定めがない場合であっても、派遣先は措置を行う必要があるとなっている。
特定社労士甲が指針を深読みせず、30日分の解雇予告手当分を違約金として払えば、あとは関係ないだろとボケボケしていたら、後から民法を根拠に多額の損害賠償請求などを労働者がしてきて派遣元が負けてしまい、差額を 指針を根拠に派遣元が派遣先に求償してこないとは限らない・・・
指針では最低限の労基法上の権利を書いているけど、それ以上損害賠償する必要ないとはどこにも書いてませんからね。
問題文に、十分すぎるほど指針違反にならないようにA社が配慮したかどうかは書かれていない・・・・
A社の正当性はどうあれ、多分、少なくてもC は指針に基づくA社による他の仕事のあっせんや補償金額(払っているか不明だけど)に納得できていないから、紛争が起きたんですよね・・・
果たして特定社労士甲の指導力を信用してもよいものか不安だったので、ここは、将来の紛争リスクを回避して、利害対立関係になりそうなところとは距離を置いておくという解答が無難では?
B社とC の間の紛争が、A社に飛火してくる可能性を否定しきれない・・・
今回の倫理の問題は、指針の内容を知っていたかどうかで、答えに私の場合、影響がでたことになります。
指針を知っていたら、派遣労働者に対する派遣先の社会的・道徳的責任とそれを指導する立場のものとしての責任、倫理を、あーだこーだ書いていたと思う。
厚生労働省リンク
派遣元・先指針の改正について
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/03/h0331-21.html
派遣切りの損害賠償について
産経ニュースより
「損害賠償などを派遣法に明記 政府が検討、中途解除に歯止め」
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/090223/biz0902230130000-n1.htm
不当解雇等について派遣先と派遣元を訴え、原告が和解を勝ち取った事例(詳細情報未確認)
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-09-16-M_1-029-1_003.html?PSID=4362f45efb5f068c8415311bd2febf43
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-06-26-M_1-030-1_002.html?PSID=851f2e41fbcb372942ecf22e4ebc4785